株式と債券は2023年11月に大きく上昇しました。投資家の新たな楽観論が債券ラリーを誘発し、米国の主要株価指数であるS&P500とナスダック総合は2021年末につけた最高値水準を射程内に捉える水準に達しました。

金融市場参加者たちは中央銀行による利上げが終わったと明らかに確信しています。しかし、重要なことは参加者たちが2024年の利下げが意外と早い時期に行われると想定している点です。

abrdn(アバディーン)は、ほとんどの主要国において利上げ局面が終了したという見方は市場と一致していますが、今後数カ月以内(例えば、2024年半ば以降)の利上げの可能性に関しては市場と同じように確信しているわけではありません。

ばらつきが見られる主要経済

インフレ率は2023年に大きく下がりましたが、中央銀行が「ミッション完了」を宣言する水準までは低下していません。実際に、中央銀行は、アメリカン・フットボールで使われる言葉を借りると「(タッチダウンまで)あと数ヤード」、つまり超えるのが最も難しい局面に入っている可能性があります。

米国経済のレジリエンス(強靭性)は弱まりつつあり、2024年半ば以降にマイルド・リセッション(緩やかな景気後退)に転じる可能性が最も高いことを示唆しています。とはいえ、米連邦準備理事会(FRB)がリセッションを引き起こさずにインフレを抑制する ― つまり、よく話題になる「ソフトランディング」を実現する可能性も高まっています。

英国と欧州の経済成長は横ばいで推移していますが、2024年後半には回復が予想されます。一方、中国経済は、不動産部門が引き続き景気回復の足かせとなっているものの、政府の限定的な景気支援策で下押し圧力が弱まったために安定の兆しを見せています。

深まる政治の不確実性

世界の主要経済の現状にばらつきが見られる中で、2024年は主要国内外における政治リスクも高まる見通しです。

中東の悲劇的な紛争は拡大する可能性が高く、その影響が世界の石油価格とインフレに影響をもたらすことは言うまでもありません。

さらに、2024年には複数の選挙が予定されています。中でも世界は米大統領選に注視し、ドナルド・トランプ氏が2期目の政権を担うことになった場合にもたらされる経済的・政治的な影響を懸念しています。2024年早々には地政学的対立の潜在的ホットスポットである台湾の総統選挙も行われます。

先走りすぎる

11月の株式と債券の上昇は、2024年に予想される不確実性を考えると、時期尚早、または少なくとも行き過ぎだった可能性があります。

投資家は、分裂が進む世界、つまり鍵となる概念が継続から変動に置き換わる世界をナビゲートしていく必要に迫られます。脆弱なシナリオは1つの衝撃で無用になります。

さらに、気候変動危機や人口の急速な高齢化など、長期的な課題も解決しなければなりません。

投資家にできることは?

「2024年投資見通し」では、abrdnの運用プロフェッショナルによる各資産クラスの今後1年間の主要テーマ、投資機会やリスクに関する見解を紹介します。

頼もしいことに、成長の鈍化にもかかわらず、たとえそれが過度な価格下落後の反発期待に基づくものであっても、全員がそれぞれ投資機会を見出しています。

今にも起こりそうな金利政策変更に注目する債券運用責任者のクレイグ・マクドナルドは、リスクの高いオルタナティブ資産ではなく、世界の有力金融機関が発行した質の高い債券を選好する理由を紹介します。

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株式運用責任者のデヴァン・カルーは、スローダウン(景気減速)が強靭で「クオリティの高い」企業にとって有利な条件になり得る理由を説明します。「クオリティの高い」企業とは、価格決定力、強力なバランスシート、高い競争優位性を確保し、景気循環に左右されにくい収益構造を備えた企業を指します。長期的価値基準で見ると、バリュエーション(企業価値評価)は米国以外では依然として合理的水準にあります。

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オルタナティブ・ソリューションズ・チームのシニア・インベストメント・マネジャーであるスティーブン・コルトマンは、市場のさらなるボラティリティへの警戒を呼び掛けています。しかし、洗練されたヘッジファンド戦略は、複数の資産クラスにおいて、さらにそうした資産にリンクされたデリバティブ商品を通して、より大きなボラティリティの中で利益を得ています。

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上場オルタナティブ資産の分野では、ダイバーシファイド・アセッツ、インベストメント・ディレクターであるケネス・マクミランが、上場プライベート・エクイティ(PE)投資会社がそれぞれの原資産価値を大きく下回る価格で取引されている点に注目しています。彼は、abrdnの長期見通しに基づくと潜在的な価値は相当なものになると語っています。

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サステナビリティ・グループ、サステナビリティ・インサイトおよび気候変動責任者のエバ・ケアンズとインフラストラクチャー運用ディレクターであるロジャー・ピムは、サステナビリティをテーマとするレポートをそれぞれお届けします。

エバ・ケアンズは、投資家は脱炭素以外のことにも目を向ける必要があると述べています。気候トランジション(移行)に関連した様々な社会課題、自然により大きな重点を置いたアプローチ、気候関連物理リスクに対処するための「適応」策へのニーズの高まりに対して、規制監督当局からより高い関心が寄せられると見込まれます。

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一方、ロジャー・ピムは、インフラ部門におけるサステナビリティ・イニシアティブを支援する機会を取り上げています。それらの機会には、バイオガス、公共交通の電気化、廃棄物管理、デジタル・ファイバー・ネットワークなど幅広いアイデアが含まれています。

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不動産投資家は2024年に入れば実物不動産価格が落ち着きを取り戻すと期待しています。欧州リサーチ責任者クレイグ・ライトは、レラティブ・バリュー(相対価値)投資のほか、ESG認証のある商業ビル、売られすぎた不動産投資信託(REIT)、ノンバンクレンダーによる不動産ローンに注目しています。

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最後に、クオンツ投資責任者のショーン・フェーヤーは、投資家がポートフォリオ分散を達成し海図なき航海をするうえでは、バリュー、クォリティ、モメンタムなど相関関係が低い「ファクター」に基づいた多様性のあるポートフォリオを構築することが有効である可能性について説明します。

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