アバディーン、2030年までに運用資産のCo2排出量50%削減を発表*

2021年11月19日
カーボン・ニュートラル(Net Zero)の目標に沿った資本配分の実現に向け、効果的な炭素価格の枠組みの必要性を提言

*英国における発表は現地時間2021年11月3日

2021年11月3日、英国グラスゴーで開催されたCOP26(国連第26回気候変動枠組み条約締約国会議)の金融分野会合(Finance Day)において、アバディーン(abrdn plc, 以下アバディーン)は2019年に発表したベースラインに続き、2030年までに運用資産のCo2排出量を50%削減するという目標を発表しました。

アバディーンは気候変動対策の実現にフォーカスした運用方針”Net Zero Directed Investing (NZDI)”を掲げており、それは単にポートフォリオ上の脱炭素の実現だけでなく、実質的な効果も視野に入れた包括的な取組みを意味しています。アバディーンは今後、カーボン・ニュートラル実現のシナリオに基づく綿密な個別企業の調査や、目標達成に向けた運用ソリューションの提供、企業や規制当局とのエンゲージメントなどの分野で積極的なオーナーシップを発揮します。

アバディーンのカーボン・ニュートラル達成に向けた3つの指針:

  1. 脱炭素化:アバディーンは運用するポートフォリオ内のCo2排出量をモニターし、削減します。具体的には脱炭素に関する分析を運用プロセスに反映させることで、脱炭素化に積極的に取り組む業界のリーダー企業を支援し、自身が運用する気候変動運用戦略の普及を目指します。アバディーンが運用する株式、クレジットおよびクオンツ運用戦略の中には、すでにCo2排出量において、目標数値(ベンチマーク)を下回っているものもあり、また不動産部門においては運用対象資産について2050年までにカーボン・ニュートラルの達成をすでにコミットしています。
  2. 気候変動戦略の提供:アバディーンはカーボン・ニュートラルの対象となる気候変動対策運用ソリューションの提供を拡大し、同分野における運用資産額を増やすことをコミットしています。現在アバディーンでは運用総資産の約3割が2050年のカーボン・ニュートラルを考慮した気候変動戦略で運用されています。
  3. アクティブ・オーナーシップ:私たちは気候変動における変化や実物資産の移行を促すべく投資先企業に対する議決権行使やエンゲージメント活動にコミットしています。アバディーンの運用チームはClimate Action 100+ネットゼロベンチマークといった、基準に照らした明確な移行に向けたマイルストーンに対し、企業に透明性のある進捗の開示を求め、株式やクレジットなどの投資対象において排出量が最も高い企業とのエンゲージメントを積極的に行います。アバディーンは設定された移行マイルストーンに対し進展が不十分であるとみなした企業に対し、お客様の投資方針に沿っていないと判断された場合、2年以内に投資対象から外すことも視野に入れることを宣言しています。

アバディーンはまた、持続可能社会の実現に向けた変化はまず、自分たちの経営から始まることを理解しており、企業としての2040年に向けたカーボン・ニュートラル達成目標についても近々発表予定です。

アバディーンplcの最高経営責任者(CEO)スティーブン・バード(Stephen Bird)のコメント※:

※2021年11月3日に実施されたCOP26における発言内容の抜粋

『運用会社として、アバディーンはカーボン・ニュートラルの達成をサポートする義務を認識しており、本日気候変動対策に関する私たちの取り組みについて、今年初頭に発表させていただいた一企業としての経営の側面2、そして今回運用会社として運用資産に関する側面双方の立場からお伝えできることをうれしく思います。

しかしながら、単にお客様の資金をCo2排出強度の高いものからより環境に配慮した銘柄に移管するだけで、世界の問題を解決できるわけではないことは明らかです。その意味で運用ポートフォリオの脱炭素化は企業の脱炭素への取組みとは異なります。運用ポートフォリオの脱炭素化を達成するためには、投資先企業との効果的なエンゲージメントが必要になります。なぜなら、Co2排出強度の高い経営モデルから低いモデルへの移行において、信頼できる企業を支援することが大きな変化を起こすことができるからです。

また、こうした運用会社の取組みを一社単独で行うことは不可能であり、政府主導による強固かつ組織的なアクションが切実に必要とされています。適切な炭素価格による効果的なインセンティブは、カーボン・ニュートラルの枠組みに沿った資本配分を可能にし、また環境に配慮した企業や投資家に利益をもたらす投資環境を作り出すために不可欠です。また、この移行期における税制の役割に関し、議論や具体的な対策をとることも必要となります。炭素価格の設定は英国およびグローバルなスケールの双方で、行動の変化や公正な移行の確保に焦点をあてるべきであるとアバディーンは考えます。』

[注記1] 資産クラスとしてまず株式、クレジット、アクティブ・クオンツ、不動産および一部のマルチアセット戦略を対象とします。ベースラインおよび取組みの詳細は後日発行する目標設定に関するレポートにて発表予定です。アバディーンでは気候変動に関する政策がより世界全体で強化されることを鑑み脱炭素化に取り組んでおり、各種政策の進展と顧客へのコミットメントを反映するため、定期的に自社の取組みを見直す方針です。

[注記2] 企業としてのアバディーンplcは2050年に向けたカーボン・ニュートラル達成のマイルストーンとして、2025年までに50%のCo2削減(2018年ベースライン)を宣言しています。

アバディーン・グループについて

アバディーン・グループはお客様の将来設計と資産形成、そして運用を通じたより良い未来に資することを目指します。

アバディーン・グループは次の3つの分野をビジネスの柱とし、お客様のより良い運用目標の実現をサポートしています。

  • 資産運用ビジネス(グローバル):綿密な調査と深い市場への知見をもとに、最新のテクノロジーと多面的な考察を応用し、幅広い資産クラスや地域、市場にわたり優れた運用ソリューションをお客様にご提供します。
  • アドバイザー・ビジネス(英国):業界をリードするプラットフォーム・テクノロジーや各種ツールを駆使し、英国国内の富裕層向け資産運用業務に携わるお客様、ファイナンシャル・アドバイザーや投資家の皆様をサポートします。
  • 個人向け資産運用ビジネス(英国):独自のファイナンシャル・プラニング・サービスやデジタル・ツールの提供を通じ、英国の個人投資家の皆様の将来の資産形成をサポートします。

上記3分野におけるビジネスをあわせ、アバディーン・グループの運用資産ならびに管理資産の総額は5,320億ポンドにのぼります。またアバディーンplcはロンドン証券取引所に上場(株主数約120万人)しています。(2021年6月30日現在)。

*「アバディーン・グループ」とはabrdn plcおよび海外を含むその関連子会社の総称です。

アバディーンの資産運用ビジネス

アバディーンの資産運用ビジネスは綿密な企業調査と、グローバルに展開する幅広い調査網を礎としています。また、各資産クラスや運用手法、戦略を横断的に検討し、お客様のニーズに沿った、最先端の運用ソリューションをご提供すると共に、より持続可能な投資成果の実現を目指します。

現在、アバディーンでは世界30か所の拠点で約800名を超える運用プロフェッショナルが個人投資家、中央銀行や政府系ファンド、企業年金、保険会社、事業法人、各種慈善団体や財団法人などの資金を運用しており、運用資産総額は約4,653億ポンドにのぼります。(2021年6月30日現在)。

アバディーン(abrdn)はabrdn plcおよび海外を含む関連子会社におけるグローバルな資産運用ビジネスのブランドです。ブランド名は2021年9月、旧ブランドであるアバディーン・スタンダード・インベストメンツからアバディーンに変更となりました。